2025年7月の今月の画像:ベニホオジロ

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撮影者:レフ・フリッド目的地:メキシコ

 

多様な文化が融合するメキシコは、スペイン植民地時代の遺産、深く根付いた先住民の伝統、そして北隣国アメリカ合衆国の影響を反映しています。数多くの歴史的建造物の中でも、古代メソアメリカの都市テオティワカンはひときわ目立ちます。その名は「神々が創造された場所」を意味します。ここには、メソアメリカ神話に登場する羽毛を持つ蛇神、ケツァルコアトルの神殿があります。バードウォッチャーにとって、ケツァルコアトルと「光り輝くケツァル」との繋がりは特に興味深いものです。なぜなら、ケツァルコアトルはしばしば、鳥の鮮やかな羽毛で飾られた姿で描かれるからです。

 

今月の特集鳥は、鮮やかな色彩のベニホオジロです。メキシコ太平洋岸斜面の固有種で、オアハカ州南東部とチアパス州南西部の丘陵地帯に生息しています。オスは見分けがつきません。鮮やかな青とローズピンクの羽毛に、白い眼環が欠けているためです。この鮮やかな色彩の鳥は、灌木が生い茂る森林や林縁でひときわ目立ち、水が常に流れている渓谷を好みます。そこでは、単独またはペアで、種をまいた草や木や低木の果実を餌として食べている姿がよく見られます。

 

印象的な外見に加え、ロジータホオジロとしても知られるこの種は、博物学者のAL・フランソワ・スミクラストによって、妻とこのホオジロがこれまで出会った中で最も美しい生き物だと信じ、妻への敬意を表して命名されました。独特の色彩と興味深い物語を秘めたこの鳥は、メキシコを象徴する素晴らしい存在です。

 

その他の注目すべき種としては、オレンジ胸ホオジロ、アカアメリカムシクイ、アカハラチャタテムシクイ、オオミソサザイ、オオタイランチョウなどが挙げられます。メキシコは豊かな文化遺産と、その大胆な味と深く根付いた伝統で世界的に知られる食文化を併せ持ち、世界中のバードウォッチャーにとって最も思い出深い目的地の一つとなっています。